- 退職を伝えたけれど人手不足を理由に退職を拒否されてしまった。
- 人手不足なのがわかっているけれど退職したい。
- 人手不足を理由に退職を拒否されるか心配。
このように悩んでいませんか?
退職を申し出てすんなりと退職できれば良いのですが、人手不足の状況だとなかなかうまくはいきません。
しかし、あなたが退職するのに会社が人手不足かどうかは全く関係ないので、退職をあきらめる必要はありません。
こちらの記事では
- 人手不足を理由に退職を拒否される前に知っておくべきこと。
- 退職を拒否された時の対処方法を紹介しています。
拒否される前の対策、拒否された時の対処方法を知らないと、いざ拒否された時にどのように対応してよいのかがわかりません。
ぜひ、この記事を最後まで読んで準備をしてから上司と話をしてください。
では、早速紹介していきます!
人手不足で退職を拒否される前に知っておくべきこと
人手不足で退職を申し出た場合、上司はあれこれ言って退職を引き止めようとしてくるでしょう。
中には脅迫に近い引き止めがあるかも知れません。
そういった引き止めに対抗するために知っておいてほしいことを紹介します。
人手不足は退職を拒否する理由にならない
人手不足の状況で退職を申し出ると
- 残された人に迷惑がかかるだろ
- 無責任だろう
- まわりのことを考えろ
と言って、退職を拒否されてしまいます。
しかし、人手不足は会社の責任であなたが退職することとは別問題です。
現に「人手不足の会社は申しだされた退職を拒否することができる」という法律はありません。
雇用期間の決まっていない人の退職に関しては
(期間の定めのない雇用の解約の申入れ)
第六百二十七条 当事者が雇用の期間を定めなかったときは、各当事者は、いつでも解約の申入れをすることができる。この場合において、雇用は、解約の申入れの日から二週間を経過することによって終了する。
民法 | e-Gov法令検索
雇用期間の決まっている人の退職に関しては
(やむを得ない事由による雇用の解除)
第六百二十八条 当事者が雇用の期間を定めた場合であっても、やむを得ない事由があるときは、各当事者は、直ちに契約の解除をすることができる。この場合において、その事由が当事者の一方の過失によって生じたものであるときは、相手方に対して損害賠償の責任を負う。
民法 | e-Gov法令検索
このように定められています。
よって人手不足だからといって退職を拒否できません。
もしも、普段から不機嫌で暴言をはきそうな上司であれば、レコーダーで録音しながら退職の交渉をしてください。不適切な発言があった際には証拠として役に立ちます。
人手不足は退職を拒否できる理由にはなりません。自信を持って退職を伝えましょう。
人手不足で退職しても損害賠償請求は成立しない
会社から損害賠償請求される可能性は以下の通りになります。
- 退職を申し出て、退職するまで無断欠勤を続けた。
- 売り上げに直結する情報をひきつがなかったので会社に損害が出た
- 退職時に社員を引き抜いた
- 雇用期間が決まっている人が一方的に契約を解除して辞めた
このような場合は損害賠償請求をされる可能性があるので注意が必要です。
該当しそうな人は弁護士や労働基準監督署に相談しましょう。
しかし
人手不足の状況で退職するんだから損害賠償請求をするからな!
と言われた場合は慌てる必要はありません。
退職を引き止めるだけの脅しに過ぎないからです。
これ以外にも
退職時は罰金が発生すると契約書に書いてあるよな?
このように言われたとしても、あらかじめ違約金や賠償金の支払いを約束させることは労働基準法16条で禁止されています。
(賠償予定の禁止)
第十六条 使用者は、労働契約の不履行について違約金を定め、又は損害賠償額を予定する契約をしてはならない。
よって雇用契約書に違約金や賠償金の支払いを約束させることが書いてあれば、労働基準法16条違反になり会社が罰せられます。
損害賠償請求をちらつかせて退職を引き止めようとしてきた場合。
弁護士や労働組合、労働基準監督署に相談しましょう。
退職することを理由に損害賠償請求されることはないので、落ち着いて対応してください。
会社は人手不足を理由に有給休暇の取得を拒否できない
人手不足の状況であっても残った有給休暇は消化することが可能です。
会社には有給休暇の日付をずらすことができる時季変更権がありますが、退職時には時季変更権を使うことができません。
人手不足なんだから有給休暇なんか使わせないぞ!
と言われても問題なく消化できますので、退職を申し出る時に話をしましょう。
残りの有給休暇を確認する方法
- 給与明細に書いていないか見る
- 上司にあらかじめ聞いておく
- 労務管理をしている人に直接聞く
有給休暇は問題なく消化できますので、あきらめずに交渉をしましょう。
人手不足でも退職日は引き延ばせない。
新しい人が入るまで退職させないぞ!
と言われてしまった場合でもあきらめる必要はありません。
先ほど紹介した民法627条にある通り、退職を申し出て2週間後には退職できます。
2週間以上先の日付で「〇月〇日を持って退職させてください。」と伝えましょう。
退職日を引き延ばされたくない場合は
- 就業規則を守って退職を申し出る。
- 退職を決めた時点ですぐに退職を申し出る。
最低限、こちらがやっておくべきことは以上です。
希望する退職日よりも退職を引き延ばされそうになったらきっぱりとお断りしましょう。
以上が人手不足を理由にして退職を拒否される前に知っておくべきことでした。
まとめると
- 人手不足は会社の責任なので、退職を拒否する理由にはならない。
- 人手不足を理由に退職しても損害賠償請求されることはない。
- 人手不足でも退職時に有給休暇は使用できる。
- 人手不足でも退職日を引き延ばすことはできない。
以上になります。
では、実際に退職を申し出て人手不足を理由に退職を拒否された時の対処法を紹介します。
人手不足を理由に退職を拒否された時の対処法
拒否されないためには明確な退職の意思を示すことが必要なので、退職届を提出しましょう。
退職の意思を明確に示すため退職届を出す
退職願を出して退職を拒否された人は、退職届を出しましょう。
退職願は、「退職させてください」と申請する際の書類。
退職願はあくまでお願いなので会社は拒否することが可能です。
退職願を出して退職を拒否された場合は、退職届を提出しましょう。
退職届を提出すれば「退職する」という明確な意思を伝えることになります。
退職届には退職を引き延ばされないように「〇月〇日で退職させていただきます。」と退職日を記入して提出してください。
このようにすれば、「〇月〇日に退職する」と明確に意思を伝えることができます。
退職届を提出した後は、提出した人にあててメールを送っておきましょう。
例文
「〇〇課長。本日は退職届を受理してくださり、ありがとうございます。退職届に書いてある通り〇月〇日をもって退職させていただきます。残りの時間よろしくお願いいたします。」
このようにしておけば
退職届をもらっていない!
退職の話は聞いていない!
と言われた際の証拠になります。
退職届を提出したら、退職届を提出した履歴が残るようにメールを送るようにしてください。
もし、退職届さえも受け取ってもらえなかったら内容証明郵便で退職届を送るようにしましょう。
内容証明郵便で退職届を送る
内容証明郵便で退職届を送ると退職届が会社に届いた日付がわかります。
会社に届いた時点で効果が発生しますので、届いた日付から考えて2週間後には退職できるようになります。
上司が受け取ってくれない場合は、内容証明郵便で退職届を会社に送りましょう。
それでも退職の話がすすまなければ、第3者に相談してください。
労働基準監督署や相談窓口に相談する
内容証明郵便で退職届を送っても効果がない場合は、労働基準監督署に相談してみましょう。
相談の前に上司へ「労働基準監督署に相談します。」と一声かけてください。
問題にしたくない上司は慌てて退職を認めてくれるかも知れません。
労基準監督署の相談はこちらから→全国労働基準監督署の所在案内 |厚生労働省 (mhlw.go.jp)
総合労働相談コーナー
いきなり労働基準監督署への相談に気が引ける人は、各都道府県に設置されている相談窓口に相談してください。
無料・予約不要・秘密厳守で相談に乗ってくれますので活用しましょう。
相談窓口はこちら→総合労働相談コーナーのご案内|厚生労働省 (mhlw.go.jp)
これでも解決しなければ最終手段の退職代行の利用を検討して下さい。
最終手段として退職代行を使う。
退職代行とは、あなたの退職の意思を会社へ伝えてくれるサービスです。
退職代行を利用すれば
- 有給休暇を使って2週間後に退職
- 2週間欠勤して退職
- 会社が認めれば即日退職
こういった形で退職が可能なので、人手不足を理由に退職を拒否されることはありません。料金はかかりますが、精神的負担をかけず、確実に退職が可能です。
詳しくは「こちらの記事」で解説していますので参考にされて下さい。
https://hiroshi-oita.com/retirement-agency-procedure/人手不足でも問題なく退職はできる!
こちらの記事では、人手不足を理由に退職を拒否される前に知っておくべきこと。
人手不足を理由に退職を拒否された時の対処方法を紹介しました。
まとめると
- 会社は人手不足を理由に退職を拒否できない。
- 退職願ではなく、退職届を出す。
- 会社が退職届を受け取らなければ内容証明郵便で送る。
- 第3者(労働基準監督署など)に相談する
- 最終手段として退職代行を使う。
労力はかかりますが、確実に退職できる方法になっています。
ぜひ、こちらの方法を実践してみてください。