事務職は肉体的負担が少なく土日休みなど事務は人気がある仕事の1つです。
しかし、ネットで「事務職はやめとけ」という言葉を目にして転職をあきらめていませんかは?
実際働いてみると想像と違う部分もありますが、事務職はワークワイフバランスが充実して働きやすい職種です。
他人の言葉だけで判断し、転職をあきらめるのはもったいないです。
そこで、事務職を10年以上経験した私が、これから事務職として働きたい方むけに以下の悩みを解決していきます。
- 事務職の種類や、平均年収はいくらなのか
- なぜ事務職は「やめとけ」と言われるのか
- どうしたら未経験から事務職を目指せるのか
結論からお伝えすると、未経験でも事務職に転職できる可能性はあります。
しかし、人気の職種で倍率が高いのも事実。
事務職へ転職したいという方は最後まで読んでくださいね。
そもそも事務職はどんな仕事?
事務職は正社員だけでなく派遣社員やパート、アルバイトなど募集が多く未経験でもチャレンジしやすい仕事です。
まずは事務職とはどんな仕事なのか基本情報を紹介します。
- 事務職の種類
- 事務職の仕事内容
- 職種ごとの平均年収
事務職は社員のサポートをするのが役割の1つで、向き不向きがクッキリ分かれる仕事です。
コツコツとした作業が得意な人は働きやすい仕事といえるでしょう。
実際にどのような仕事をおこなうのか詳しく紹介していきます。
事務職の種類
事務と聞くとPCを操作して書類の作成や管理をおこなうイメージがあります。
しかし、職種ごとに仕事内容は大きく異なります。
よく求人がある8つの種類の特徴を紹介するので、職場選びの参考にしてください。
事務の種類 | 特徴 |
一般事務 | 一般的な事務職でPCを使い仕事をおこなうことから OA事務とも呼ばれている。 |
営業事務 | 営業担当者のサポートをおこない、資料や見積書などを作成する |
人事・労務事務 | 従業員の人事管理業務をおこない、採用から退職まで各種手続きをおこなう |
経理事務 | 支払いや経費の精算など会社の資金管理をおこなう |
総務事務 | 働きやすい環境を整えるため、経営に必要なものを準備、管理する |
法務事務 | 登記や商取引に関する業務をおこない、法的なトラブルが発生した際の対応をおこなう |
医療事務 | 病院やクリニックなどの医療機関で事務作業をおこなう |
金融事務 | 銀行や証券会社などの金融機関で事務作業をおこなう |
特徴を聞くと事務職への転職は難しそうだと感じてしまいます。
しかし、求人の多くは一般事務なのでPCを扱えるスキルさえあれば問題なく働けます。
未経験でもチャレンジできる職種は多いので、難しく考えずに求人へ応募してくださいね。
事務職の仕事内容
ほとんどの事務職は同時にいくつもの作業を並行しておこないます。
どのような仕事を同時進行でおこなうのか、事務職の中でもっとも求人の多い一般事務の仕事内容を紹介します。
- 見積書や請求書などの書類作成
- 書類を分別しまとめるファイリング
- お客様情報などのデータ入力
- 書類の発送や届いた郵便物仕分け
- 備品を管理し必要なものを発送する
- かかってきた電話を担当者へ取り次ぐ
- 勤怠管理や給与計算
事務職はPC操作や書類作成、管理などを任されることが多いです。
そのため長い時間をデスクで過ごすことになります。
事務職の仕事は大変地味ですが、会社になくてはならない縁の下の力持ちとして活躍します。
人をサポートすることにやりがいを感じる人は事務職がおすすめです。
職種ごとの平均年収
転職サービスで有名なdoda(デューダ)によると、事務やアシスタント職の平均年収は336万円と全職種の平均年収より70万円ほど低いです。
職種や性別で平均年収は異なるので、3種類の職種の平均年収を比較していきます。
職種 | 平均年収 | 男性の平均年収 | 女性の平均年収 |
一般事務 | 337万円 | 395万円 | 319万円 |
営業事務 | 337万円 | 388万円 | 329万円 |
医療事務 | 286万円 | 361万円 | 277万円 |
(出典)doda
貿易事務や法律事務など専門知識やスキルが必要な職種は年収が高いです。
しかし、一般事務など誰でも働ける職種の年収はそこまで高くありません。
事務職はやめとけと言われる5つの原因
事務職は未経験でも応募しやすい職種ではあるものの、「やめとけ」という意見があると転職すべきか迷ってしまいますよね。
なぜ事務職はやめておいたほうがいいのか理由を知れば真実なのか判断できるので、否定的な意見を5つ紹介します。
- 単調な作業が多く飽きやすい
- 競争率が高く転職するのが大変
- あまり給料が高くない
- AIに奪われる仕事だと言われている
- 女性ばかりの職場で男性は馴染みにくい
単調な作業が多く飽きやすい
事務職と聞くと1日中PCに向かい仕事をしているイメージを持つ方もいると思います。
まさしく、想像通りデスクワークがメインです。
単調な仕事が多いため、仕事を覚えて慣れてくると非常にラクになります。
しかし、その反面飽きやすく、同じことの繰り返しで飽きてしまうかもしれません。
- 単調な業務ばかりでモチベーションが下がる
- スキルや知識を身につける機会が限られてしまう
- 退屈感やストレスを感じてしまう可能性がある
事務職を経験した人は単調な仕事ばかりで
「つまらない」
「飽きる」
と感じてしまい、事務職は「やめとけ」と否定的な意見を言ってしまうのでしょう。
競争率が高く転職するのが大変
厚生労働省の調査によると
事務職全体の有効求人倍率は0.39倍
もっとも求人の多い一般事務は0.31倍
と非常に競争率が高いです。
1つの求人枠に3~4人希望する計算となり、転職が難しいからやめておいたほうがいいという声もあります。
- 一般的な職種のため、競争率が激化しやすい
- ラクそうなど安易な理由で応募する人が多い
- 非正規雇用が増え、正規雇用を求め応募者が増加する
未経験者歓迎の求人でも応募者が多いため、経験者が優遇されてしまいます。
即戦力として活躍できる人を会社は求めているからですね。
転職が難しいので事務職は「やめとけ」と言われる原因の1つです。
とはいえ未経験では転職できないわけではありません。安心してください。
あまり給料が高くない
さきほど事務職の平均年収は336万円とお伝えしましたが、他の職種と比べると給料が高いとは言えません。
同じ時間働くなら給与は高いほうがいいと考える人もいるため、給与が高い職種の方がいいという意見もあります。
ただ、大手企業であれば平均より2~3倍の収入を得ることも可能です。
社名 | 事務の平均年収 |
武田薬品工業株式会社 | 1223万円 |
日産自動車株式会社 | 886万円 |
株式会社INPEX | 883万円 |
トヨタ自動車株式会社 | 867万円 |
株式会社ブリヂストン | 830万円 |
(出典)openwork
企業の規模が大きくなるほど年収も高くなるので、事務職の給料は安いからとあきらめる必要はないですよ。
AIに奪われる仕事だと言われている
アメリカの大手求職サイトZIPPIAが公表したデータによると、2030年までに世界中で4億~10億人が職を失うと発表しました。
事務職はAIに仕事を奪われると言われており、データ入力や情報処理などの単純作業はAIが担うのではと考えられています。
- AIがおこなうことでデータ処理速度が上がり正確性も増す
- 文章の生成において高い性能を発揮し、文書作成が代替される
- AIによる自動化により人件費の節約につながる
たしかにAIのほうが正確かつスピーディーに仕事ができます。
しかし、約50%の仕事がAIに奪われるとは言われているものの、すべての業務がなくなるわけではありません。
人間特有のスキルが必要とされる場面も多々あります。
よって仕事が完全になくなるわけではないので、安心してください。
女性ばかりの職場で男性は馴染みにくい
事務の仕事は女性の仕事というイメージを持っていませんか?
実際に半数以上の事務員は女性という職場も多く、男性は馴染めずうまくいかないと考えてしまう人が多いです。
- 女性同士のいざこざに巻き込まれる
- 男性が少数派であることによる不安や孤独感を感じる
- 男なのに事務職は情けないという考えを持つ人もいる
上記のように女性が多い職場ならではの悩みもあり、男性なら「女性ばかりの職場はやめとけ」と言いたくなる気持ちもわかります。
しかし、気配りが上手でムードメーカーになれる男性は重宝されるので、男性は馴染めないからやめておいたほうがいいとは言い切れません。
事務職に向いている人と向いていない人の特徴
事務職はやめとけという意見の多くは世間のイメージで言っている人が多いです。
どの仕事にも向き不向きがあるので、事務職に向いている人といない人の違いを把握しましょう。
自分が事務職に向いているのか判断してから転職したほうが良いので、向いている人と向いていない人の特徴を詳しく解説していきます。
事務職に向いている人の特徴7つ
事務職と言えば1日中PCに向かっているイメージですが、他にも求められるスキルはあります。
どのようなスキルや適性が必要なのか、事務職に向いている人の特徴は以下の7つです。
- 単純作業の繰り返しが苦にならない
- 事務作業や電話対応などマルチタスクをこなせる
- 業務を円滑に進めるためのコミュニケーション能力がある
- 複数のタスクを同時にこなすタイムマネジメント能力がある
- ミスなく作業をおこなう正確性がある
- 相手の求めていることを先回りして行動できる
- 誰かをサポートすることにやりがいを感じる
事務職の仕事を始めたばかりだと
「マルチタスクができないかもしれない」
「ミスしたらどうしよう」
と、自信を持つことができないかもしれません。
ですが、デスクワークや単純作業が苦にならない人はチャレンジしてみる価値は十分あります。
はじめはデータ入力など簡単な作業を任され徐々に難しい作業へ移行していきます。
未経験でも3ヶ月~半年ほどで一通り仕事がこなせるようになるでしょう。
事務職に向いていない人の特徴5つ
1人で黙々と仕事をするイメージの事務職ですが、同僚やクライアントなどコミュニケーションが必要不可欠です。
協力性以外にも求められるスキルや能力があり、以下の特徴に当てはまると事務職は難しいかもしれません。
- 大雑把で細かいことが気にならない
- ルーティンワークが苦手
- デスクワークやPC操作が苦手
- 情報や文章なの整理整頓が苦手
- 優先順位を考え仕事をこなすのが苦手
仕事をしていく中で慣れていく部分もありますが、長時間のデスクワークや整理整頓が苦手だと長続きしない人が多いです。
事務は向き不向きがハッキリ分かれる仕事なので、向いていないと感じたら他の職種も検討してください。
やめとけは誤解! 転職先を選ぶ際のポイント3つ
事務職は残業が少なく、ワークライフバランスを取りやすいです。
プライベートを充実させたい人や体力に自信がない人でも働きやすい仕事と言えます。
安心して転職活動を始めてください。
転職先を探す際、以下の3つのポイントを確認してください。
- 副業ができる職場を選ぶ
- 未経験でも働きやすい仕事を選ぶ
- 福利厚生が充実している企業を選ぶ
これから紹介する3つのポイントを抑えれば転職成功へグッと近づくので、詳しく解説していきます。
副業ができる職場を選ぶ
一般的な事務職の年収300万円台と、しっかり稼ぎたい人には不向きな仕事です。
しかし、残業も少なくカレンダー通り土日祝日は休みの企業が多いので、空いた時間を副業にあてると収入UPに繋がります。
- 文章入力
- データ入力
- Webライター
- Webサイト作成
- 添削・採点
- 翻訳
- プログラミング
上記のように在宅でできる副業はたくさんあるので、スキマ時間にコツコツ稼げます。
副業は考えていなくても今後のことは分かりません。
いざというときのために副業ができるか確認しておきましょう。
未経験でも働きやすい職場を選ぶ
事務職は会社運営において必要な存在ということもあり、さまざまな業界から求人が出ています。
数ある職種の中でも未経験者が働きやすい業界があるので、4つの狙い目を紹介します。
- 市場規模が大きく業界が安定している金融業界
- 慢性的な人手不足が続いているIT業界
- 大手企業が多く福利厚生が充実している広告業界
- 高度なPCスキルが求められない製造業界
上記以外だと求人数が多い業界は、業界全体の人手が足りていない証拠です。
事務経験があれば今後のステップアップもしやすいので、まずは未経験でも働きやすい職場を探すのがおすすめです。
福利厚生が充実している企業を選ぶ
求人を探す際はつい給料やボーナスなど収入面を確認してしまいます。
しかし、どんなに給料が高くても労働環境が劣悪では長続きしません。
たとえ給料が安くても手当てを上乗せすれば相場以上ということもあります。
求人を探す際に確認したほうがいい7つのポイントを紹介します。
- 昇給制度の有無や、昇給した場合の増え幅
- 残業代の有無
- 退職金や年金制度は整っているか
- 保育施設や健康施設など福祉サービスが充実しているか
- 有給休暇や育児休暇、介護休暇の取得率
- 勤務時間や休暇日数は適切か
- 通勤手当や住宅手当など手当の種類や金額
福利厚生が充実している職場は働きやすさやモチベーション維持、ワークライフバランスの向上など多くのメリットがあります。
ワークライフバランスの充実を目指して事務へ転職する人も多いので、しっかり確認してください。
未経験で事務職を目指す5つのコツ
事務は転職の難易度がたかい職種です。
未経験で事務職を目指すならば、戦略的に転職活動を進めなくてはいけません。
どうすれば転職活動がスムーズに進むのか、5つのコツを紹介します。
- 事務職に役立つスキルを身につける
- 転職において譲れない条件を考える
- 条件に沿う求人があればすぐ応募する
- 正社員以外の雇用形態も検討する
- 転職サイトを活用する
事務は人気の職種だからこそ内定を得るコツを知っているのか知らないのかで差が出ます。
上記のポイントをおさえ転職活動を進めていってください。
事務職に役立つスキルを身につける
事務職は未経験でも挑戦しやすい反面、専門知識を求められるケースも多いです。
必須ともいえるPCスキル以外に身につけると有利になる資格や検定を紹介します。
希望する職種に応じて取得を検討してみてください。
マイクロオフィススペシャリスト(MOS) | ExcelやWordなど5科目あり、実技試験に合格すると資格できる資格 |
ビジネス文書検定 | ビジネスでよく使われる文書作成に関する検定 |
秘書検定 | 社会人に求められるマナーが問われる検定 |
日商PC検定 | 文書作成やデータの活用など一般事務に必要なスキルを問われる検定 |
ITパスポート | ITに関する基礎知識を問われる国家資格 |
資格や検定を取得する際には
「業務に役立つのか」
「スキルアップにつながるか」
などを考え、転職に有利になるものを選んでください。
関係のない資格をとっても時間の無駄になるでしょう。
資格を取得すればスキルの証明に役立つので、ライバルに差をつけられます。
未経験からでも転職しやすくなるでしょう。
転職において譲れない条件を考える
「給料は〇万円以上」「年間休日は△日以上」など働く条件にこだわってしまいますよね。
しかし、条件を絞りすぎると選べる求人が減ってしまいます。
事務職の求人数は少ないうえに応募する人が多いです。
転職において譲れない条件を考えておきましょう。
- 給料やボーナス
- キャリア成長の機会があるか
- ワークライフバランスが取りやすい
- 自宅からの通いやすさ
- 福利厚生は充実しているか
上記はあくまでも一例です。
- 自分にとって譲れない条件
- 多少であれば譲歩しても良い条件
を考えることが重要です。
優先順位を決め、ゆずれない条件を明確にすることで、転職先の候補が絞りやすくなります。
条件に沿う求人があればすぐ応募する
事務職は人気の職種ということもあり、求人募集があるとすぐに埋まってしまいます。
いつでも応募できるよう求人は頻繁にチェックしましょう。
気になる求人があればすぐに応募するクセをつけると良いです。
- 他の応募者よりも先にアピールできる
- 面接日程など都合を合わせやすい
- まだ候補者がいない状態だと条件交渉の余地が生まれる
すぐに応募することはチャンスを逃さないだけでなく、上記のようなメリットもあります。
求人が少ないからこそ早期応募で採用確率が上がります。
未経験でも転職に成功する可能性がグッと上がるでしょう。
正社員以外の雇用形態も検討する
事務職は正社員の求人が少なく、大手企業を中心に派遣社員や契約社員の募集が多いです。
雇用形態を正社員に限定してしまうと求人の幅が狭まってしまうので、派遣社員などの求人にも目を通しましょう。
- 異なる業界で経験を積み、選択肢を広げる
- 企業や業界の相性を確認できる
- 派遣や契約社員で得た経験が将来転職する際のアピールポイントになる
非正規雇用の場合安定性が下がってしまうものの、上記のようなメリットもあります。
ゆくゆく正社員として働かないかと打診される可能性もあります。
まずは経験を積み今後へ活かすことも検討してみてください。
転職サイトを活用する
人気の職種で未経験というハンデを背負っている場合、転職サイトを活用し担当者と二人三脚で転職活動を進めると良いです。
さまざまな条件や要望を聞いたうえで求人を紹介してくれるので、働きながらでも転職活動を進めやすいのもメリットの1つです。
転職サイトに登録するメリットは他にもあります。
- 好条件の非公開求人を紹介してもらえる
- 応募書類や履歴書の添削をしてくれる
- 面接の日程調節や、面接練習をしてくれる
- 自分では言いにくい条件も交渉してくれる
- 企業の内部情報を教えてもらえる
業界を熟知した担当者が徹底的にサポートしてくれます。
自分1人で転職活動をおこなうよりも内定を貰いやすくなりますよ。
事務職はラクな仕事ではないが「やめとけ」は間違い
「単調な作業が多くつまらない」
「他の職種より給料が低い」
などネガティブなイメージもあり、事務職はやめたほうがいいという意見もあります。
確かにラクな仕事ではないものの、体力的な負担は少なく細かい作業が得意な人におすすめの仕事です。
未経験で転職は難しいものの、以下のポイントを抑え転職活動を有利に進めてくださいね。
- 事務職にもさまざまな種類があるが、一般事務は求人数も多く転職しやすい
- 「事務職やめとけ」は未経験の人が否定的な意見を言っているケースが多い
- 未経験で事務職を目指すなら転職サイトに登録したほうがいい
事務職は向き不向きがクッキリ分かれる職種です。
転職を考えている方は自分に特性があるのか考えてみてください。
縁の下の力持ちとなる事務職は企業にとって必要不可欠な存在です。
やりがいを感じながら働きたい方はぜひチャレンジしてみてください。